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八木重吉詩集
「秋の瞳・貧しき信徒・未完詩群201篇」
八木重吉:生1898-没1927 早世の詩人。
東京府南多摩郡堺村(現在町田市)生まれ。
東京師範学校(現在横浜国立大学)在学中キリストを信じ受洗。
卒業後英語教師を勤める。
24歳で島田とみと結婚後詩作に打ち込む。
27歳で「秋の瞳」刊行。
28歳で結核にかかり、病床で「貧しき信徒」を編む。
1927年29歳で他界。
二人の子供、桃子・陽二も結核で1940年までに夭折。
詩集から3編紹介します。
障子
あかるい秋がやってきた
しずかな障子のそばへすりよって おとなしい子供のように
じっとあたりのけはいをたのしんでいたい
天
天というのは あたまのうえのみえるあれだ
神さまが おいでなさるなら あすこだ
ほかにはいない
桃子よ
もも子よ おまえがぐずってしかたないとき
わたしはおまえに げんこつをくれる
だが 桃子
お父さんの命が要るときがあったら
いつでもおまえにあげる
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